日日是見習

主にプログラミング、ソフトウェアプロセス、チームビルディング、たまに音楽の話など

エンジニアのための目的/目標設定と目標修正のポイント

はじめに

2018年度も下期に入り職場上司達と個人の年度目標チェックや見直しを行う頃かと思います。 ここでは計画作成にメンバーに話していた事も含めて記載します。
※上司から与えられた指示や作業をこなす事が目標の場合は本記事はあまり必要無いです。

自分戦略について

まずは以下の記事を読んでください。
scrapbox.io

上記は凄いキャリアの方が書いてますが、自分なりに知識/スキルをどうやって獲得するか考えて方向性決めて小さい事からコツコツと行動して積み上げる事がポイントと思います。特に若手(~30歳前半)のエンジニアは40歳代位を見据えて知識獲得/交換ネットワークの構築方法を考えておくのも良いと思います。
以下は自分の経験を踏まえたキャリアを考えるアプローチ事例の紹介です。

自分で考える場合

身近に尊敬する先輩等がいる場合は、その人を目指すのも1つですが、いない場合は結構大変だと思います。まず、自分で目標を設定する場合は「内発的動機付け」に上手くリンクしている事が達成へのポイントになると思います。
内発的動機付けについては7~8年ほど前に流行ったダニエル・ピンク著の「モチベーション3.0」が有名です。概要は以下に記載されています。
warakunomichi.jp

更に長期的観点で考える時は年間目標だけでなく「エンジニアとして自分は何を目的/目標にするか」や、「そもそも自分の人生をどう生きるか?」という点から見直してみるのも1つかと思います(この観点と内発的動機付けが弱いと行動の持続性が低くなると思います)。

アプローチとしてはコーチングで使う"人生の車輪"や優位感覚チェックリスト(NLPで言うVAKモデル)が使えると思います。 tsubolog.com www.atmarkit.co.jp

またマインドフルネス(瞑想/内省)等も取り入れて今の自分の心と体に注意を向けてみるのも良いと思います。
ただ、私の場合は「自分のしたい事は何か?」という事は簡単に出せませんでした。

他人を巻き込んで考える場合

自分の事を考えるのが苦手な方は同僚の誰かに頼んで「メンター」になってもらう事をお勧めします。 本気でやるならお金かけてプロのコーチを雇ったりエージェント/ヘッドハンターなりに相談するのも良いと思います。

【参考】メンターについて bizhint.jp

「メンタリング」と似たようなものに「コーチング」「カウンセリング」がありますがメンタリングは守備範囲が広くメンター程の専門性は高くなくてよいという理解です。 私は7年前位に個人的に外部のコーチ(メンターとは違いますが)にお世話になりました。
【参考】「メンタリング」と「カウンセリング」と「コーチング」ぞれぞれの違いとは? | MentorsLIFE
コーチングは精神状態がポジティブな(頑張れる)人に、カウンセリングは精神状態がネガティブな人に向いていると思います。

いずれにしても自分は何をしたいか、伸ばすべきか?何が足りないか?というのは本人は分かりづらく、一歩踏み出しにくい、また思い込みによる判断ミスがあるので客観的な意見をもらい内発的動機にリンクさせる事がポイントです(少し距離感の遠い人に説明を試みるだけでも頭の整理になります)

同僚(メンター)と頭の整理をする際は以下の「ペアマインドマップ」も応用できると思います。

www.slideshare.net

ただし一見良さげで合理的な目標に対して心理的なブレーキがかかっている時はトラウマや心理的反応が作用しているケースが結構あります(例:人前で話をして出て大恥かいたり、理不尽に叱られた経験があるとか)。
この点はメンタリングする側もどこまで踏み込むか見極めが必要と思います。

なお私は以前コーチに対して(無意識的に)カウンセリング要素を求めていたのでコーチングのプロセスが肌に合わず辛かったです。
【参考】メンタリングとコーチングの4つ共通点と違いとは

ここまでやって自分の目的/長期目標(どうなりたいか)がまだ出てこない方は、自社を飛び出して色々なエンジニアに会った方が良いと思います。
ソフトウェアエンジニアであれば、コミュニティ等に目標になる人は沢山いるはずです。

目標を立てる際の参考

エンジニアとして自分の目的を見つけた方は具体的な目標を立てると思いますが、TOCのアンビシャスターゲットツリーを使って最終目標と中間目標を設定するのがお勧めです。 tokumoto.jp

障害の抽出は以前書いたブレスト手法で発散し、収束させてからロジックツリーなどに纏めるのが良いと思います。
アイディア出し(ブレスト)のコツ - topaoの日記

プロジェクトマネジメント等も同様ですが、目標達成には以下が必要になります。

組織においては上記をKGI(Key Goal Indicator)やKPI(Key Performance Indicator)と言ったりしますが、 個人の目標設定の場合は定量数値だけに拘るより、以下のイメージをつけておいた方が良いと思います。

  • 目標を達成したときに自分はどうなっているか(目指す姿)
  • 目標を達成した時に自分はどういう心理状態になっているか(嬉しい、楽しい、充実感がある)

目標修正の参考

目標修正やアプローチを変更する前にPDCAの"C"つまり"ふりかえり"が必要です。
色々相談に乗っていると、あまり行動やふりかえりをせずに思いつきや思い込みで目標修正する人が結構います。 以下を参考にふりかえりをしましょう。 yoshitsugumi.hatenablog.com

ふりかえりのテーマによりますが、私は比較的KEPTAを好んで使います。

www.slideshare.net

その他

私は必ず達成したい目標には「自分ルール」を設けています。 例えばお仕事で目標達成できなかったら「自分をクビにする」というルールを作ります。お仕事で失敗しても大抵の事ではクビにならない(評価が下がるだけ)ですが、自分で自分を見限るというルールを作る事でかなり真剣に取り組むことになります(このルールはある種の自己暗示も必要です)

ただ、私はこのルールを設定した目標は必ず達成しているというジンクスが出来つつあります。
ググってみたら「自分ルール」というのは結構一般的なやり方のようでした。

最後にググった過程で以下の記事を読んだので貼り付けておきます。
『目標達成の技術』に学ぶ!目標達成できない原因と成功するための10原則 | カツオの読書感想文